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山なみ通信

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未来につなぐ森づくり #箕面の森の守りびと

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山とみどりのフェスティバル「箕面の森 シカ害対策 研究フォーラム」を9月24日(日)に開催しました。当日資料の概要を公開しましたので、ぜひご覧ください!

箕面でも増えすぎたシカによる被害が深刻になっており、増えすぎたシカから箕面の森をどう守るか「箕面の森・シカ害対策研究フォーラム」を9月24日(日)に箕面文化・交流センター8階大会議室で開催しました。

主催:箕面市・NPO法人みのお山麓保全委員会、後援:明治の森箕面自然休養林管理運営協議会

シカ害対策に関心を持つ56名の方にご参加いただき、誠にありがとうございました。当日、ご参加出来なかった方もいらっしゃいますので、当日資料の概要を公開させていただきます。

司会進行は、山麓委員会副代表理事の村上竜太さんが担当し、開会にあたり、最初に箕面市みどりまちづくり部公園緑地室の宮本誠義さまより、ご挨拶をいただきました。

最初に、箕面のシカに関する報告をしていただきました。

〇モニタリング調査から見えてきた北摂及び箕面のシカの生息状況
(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 生物多様性センター 主任研究員の幸田良介さんから、北摂全域では約24.1頭/㎢(6,100~9,500頭)が生息しており、箕面国有林では減少しているが、箕面市北部~豊能町に高密度地域が発生しているなどの報告をいただきました。

モニタリング調査から見えてきた北摂及び箕面のシカの生息状況(←こちらをクリック)
〇箕面のおける個体数管理などのシカ被害防止対策の取り組み
箕面森林ふれあい推進センター 自然再生指導官の田上 富二男さんから、箕面国有林でのシカの個体数管理についての報告をいただきました。

センサーカメラや行動調査などによるモニタリング調査では、捕獲が困難な急傾斜地にシカの生息が集中しているなどの報告があり、令和4年(2022年)のシカ捕獲実績は、国有林では108頭(箕面市全体で270頭)との報告をいただきました。

箕面のおける個体数管理などのシカ被害防止対策の取り組み(←こちらをクリック)
続いて、市民団体からの報告がされました。

〇シカ被害から清水谷を守るための活動/現状と課題

清水谷をまもる会 代表幹事の長尾 賢次さんから、多様で希少な植物が生育する清水谷で行っている防鹿ネットを設置しての活動と、シカによる食害を受けている希少な植物の現状についての報告があり、保全活動への協力要請がされました。

シカ被害から清水谷をまもる会の活動/現状と課題(←こちらをクリック)

〇こもれびの森 シカ被害から守るための現状と課題

NPO法人みのお山麓保全委員会 事務局長の高島 文明から、2018年の台風被害跡地での活動(市民の憩いの場としての機能や水源かん養や土砂流出防止機能の発揮)の報告がされ、見回りや簡易な維持管理、毎年3月に実施している植樹活動の紹介と協力要請がされました。

こもれびの森 シカ被害から守るための現状と課題(←こちらをクリック)

【講演】シカから森林環境を守るための戦略と戦術 ~科学的モニタリングに基づいた分析

報告が終わった後、兵庫県立大学 自然・環境科学研究所/兵庫県森林動物研究センター准教授 主任研究員の藤木 大介さんに、兵庫県での事例を元に講演をしていただきました。

大きな方向性として必要なことは、1捕獲技術の高い捕獲従事者(マイスター)の確保、2森林域での捕獲体制の構築、3植生の再生プロセスを理解した上での捕獲対策の正しい進捗評価、4多様性保全のための希少種の保全であり、関係者間で、目的、現状、課題が常に共有される必要性があるとのご指摘をいただきました。

理論的には、一度消滅した下層植生の回復は、絶望的(生態系の不可逆的変化)であり、捕獲が進み下層植生の量は回復しても、一度、地域で絶滅した種は回復不可能であり、各地の希少種保全の取り組みや種子保存の取り組みなどのご紹介をいただきました。

シカから森林環境を守るための戦略と戦術 ~科学的モニタリングに基づいた分析~(←こちらをクリック)

報告と講演が終わった後、公益社団法人 大阪自然環境保全協会の常俊 容子さんに加わっていただき、会場からの質問シートに答える形でディスカッションを行いました。

なぜシカが増えたのか?捕獲以外で頭数を減少させる方策はないのか?効率的に捕獲する方法はないのか?シカが嫌いな種を植樹するためには?など、限られた時間でしたが、さまざまな質問やご意見をいただきました。

シカによる食害から、箕面の森をどのように守るのか?モニタリング調査を行いながら、さらに捕獲を進める一方で、防鹿ネットの設置による希少な植物の保全や道崩れの防止など、難しい課題がいっぱいですが、さまざまな主体が出来ることを進めることが出来ればと思っています。

最後に、明治の森箕面自然休養林管理運営協議会 代表の田子 広一さんが挨拶をして、フォーラムを終了しました。

※同協議会は、国・府・市・研究機関などの行政委員と12の市民団体で構成されており、情報の共有化と意見交換を行い、市民が中心となったプラットホームです。