9月22日(祝)府立園芸高校に協力して、才ヶ原池の外来魚(ブルーギルやブラックバス)の「食性調査」のための活動を行いました。
才ヶ原池は、準絶滅危惧種のイトトンボが生息し、夏から秋にかけては「マミズクラゲ」が見られるなど、生物多様性の保全の貴重な自然環境であり、多くのハイカーにも親しまれています。
ただ、この貴重な環境にも生物多様性を脅かす事象が起こっています。
第一は、増えすぎたニホンジカによる森林生態系の破壊です。才ヶ原池周辺でも以前に見られたネザサ群落は姿を消し、その場所にはシカが嫌いな「マツカゼソウ」や「イワヒメワラビ」だけになっています。
この周辺は「野鳥の森」に位置付けられていますが、ヤブに営巣するウグイスなどの野鳥には棲みにくい環境でしょう。
近くの才ヶ原林道沿いの防鹿ネット内外の植性の様子を見ていただくとよく分かります。ネットの中は多くの植物が繁茂していますが、外はほとんど植物がありません。
次に危惧されるのは「外来生物」による既存の生態系への影響です。
特定外来生物である「ブルーギル」や「ブラックバス」が多く生息しており、トンボノヤゴなどの水生昆虫や小魚などを捕食するために、水の中に棲む他の生きものへの影響が危惧されています。
※「ブルーギル」や「ブラックバス」が在来種を捕食することから、生態系への影響が危惧されており環境省により「特定外来生物」に指定されています。
大阪府立園芸高校(ビオトープ部)から、「特定外来生物」である外来魚の食性調査をしたいという申し出があり、NPO山麓委員会は、箕面市水道部の許可を得て、生物多様性保全のための調査活動に協力することにしました。
外来魚を釣り上げて、内臓を取り出して、何を捕食しているかの調査を行う計画です。
内臓の調査には、しばらく時間がかかりますが、この日は、園芸高校のビオトープ部の生徒たち10名と先生1名、NPO山麓委員会からは2名が協力しました。
園芸高校の校舎の中でとったミミズをエサに、ブルーギルを釣り上げます。
ブルーギルは、個体数が多く、何匹でも釣れます。
73匹の「ブルーギル」と3匹の「ブラックバス」が釣れました。
内臓を取り出して、アルコール瓶に入れて、園芸高校に持って帰ります。調査には時間がかかりますが、結果については、後日報告させていただく予定です。
生物多様性の保全を考えていくうえでは、もともと日本にいなかった「外来生物」についても考えていくことが大切です。
※才ヶ原池は、箕面市の上水道の貴重な自己水源(市外の淀川などを水源とする府営水道ではなく、市が自ら確保している水源)の一部として管理されています。(「非常用水源」としての位置づけ)
※才ヶ原池での「釣りは禁止」です。