自然景観との調和や森林生態系の保全など、自然公園である箕面公園ならではの復旧工事が順調に行われています。
昨年10月、台風被害で発生した斜面の崩落などによる滝道の通行止め。現在、滝道対岸の散策路を通って箕面大滝まで歩けますが、足の弱い方にはたいへんです。
今秋の紅葉シーズン(10月末)の開通をめざして、自然景観と調和したのり面の安定・強化を前提として、森林生態系や生物多様性に配慮するなど、自然公園である箕面公園ならではの復興が行われています。
下の写真は、ドローンで写したのり面の様子(8月3日)
のり面の復旧には、打ち込んだ杭(補強材)とネットで斜面の安定化を図るという自然景観と調和した工法が採用されています。
のり面緑化には外来緑化植物や他地域のからの種子を持ち込まないなど、生物多様性の保全を前提とした自然植生の再生をめざしています。
下の写真、ネットの下は土を麻布でつつんでいます(8月3日)
この8月、のり面約1,000㎡の復旧工事が完了しました。この後、滝道のひび割れなどの復旧工事が完了すると、滝道を開通することが可能になります。
今後、行政を含めた地域全体で箕面公園のモミジの再生や自然植生の復活を進めていくことが大切です。また、シカによる食害から植生をどのように守っていくのかなども検討する必要があるでしょう。
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10月22日夜から23日明け方にかけて、日本の南の海を北上した超大型台風21号は、大雨を伴った暴風となり風の影響による倒木が各所で発生しました。
滝道では土砂崩れが発生し、観光シーズンにもかかわらず大滝までの通行が出来なくなるという大きな被害が発生しました。斜面上部約50m(自然林)の土砂崩れが発生しました。
箕面公園滝道/石子詰付近 台風21号による被害(10/23写真)
箕面の豊かな自然は、自然環境が保全される中で、行楽・観光地として多くの人が訪れる他、みどり豊かな住宅地として、私たちに恵みをもたらしてきました。
一方で、時に自然は、私たちに大きな脅威を与えます。恵みをもたらしてくれる自然と、災害をもたらす自然にどのように付き合っていけばいいのでしょうか?
災害に強い森づくりをどのように進めるのか、人と自然がよりそった災害対応、生態系を活かした防災や減災対応のあり方についてもみんなで考えたいと思っています。
写真:大阪府池田土木事務所提供