府営箕面公園の「ナラ枯れ」被害の枯死木、シイの巨木の伐倒くん蒸処理が行われました。
箕面公園では、公園管理事務所が、一の橋から桜広場へ向かう遊歩道沿いにある「ナラ枯れ」被害の枯死木(胸高直径56cmのシイ)の伐倒処理を12月24日に行い、翌25日には、玉切りした材のくん蒸処理が行われました。
遊歩道にクレーン車を入れて、吊り上げながら切りましたが、このシイの木の下には滝道があり、枯死しているために滝道に倒れると危険なので、危険木として、優先的に処理が行われました。枯死した被害木を放置しておくと、この春夏から、カシノナガキクイムシが大量発生をして、周辺にあるブナ科のどんぐりの成る木に被害が拡大します。
下の写真は、作業の様子です。
ナラ枯れの被害木は、圧倒的に落葉樹であるコナラが多いのですが、今回は常緑樹であるシイの木が、この夏に枯死したことが注目されます。瀧安寺周辺のシイ林は、環境省の保護上重要な特定植物群落にもあげられている貴重な樹林です。又、滝道昆虫館の南には、このシイ林をよんだ野村泊月の句碑もあります。 「椎の花八重立つ雲の如くにも」と詠まれています。
下の写真は、5月瀧安寺周辺でシイの木の花が雲のように咲いている様子です。
下の写真は、8月5日の根元にカシノナガキクイムシによるフラス(木くず)の様子です。
カシナガの被害により枯れてしまいました。
この冬の期間中に、国・府・私有地だけでなく、山麓部の民有地でも「ナラ枯れ」被害の枯死木の伐倒くん蒸処理が行われます。民有地においては、土地の境界確認が困難であり地権者の特定が困難という課題もありますが、法定害虫であるカシナガの駆除のためには、地権者の皆さまのご理解とご協力が求められています。
また、「ナラ枯れ」被害の防止は、行政だけでは困難であり、多くの市民による被害木の早期発見や早期の応急処置などが必要です。「ナラ枯れ」被害防止のプロジェクトチームの活動ご協力をお願いします。