人と自然の入門講座「みのお森の学校」【第8回目】川西市黒川「これぞ里山 台場クヌギ林&「菊炭」炭窯見学
「森の学校」第8日目。4月17日(日)
今回は野外での講座
兵庫県川西市黒川地区へ「台場クヌギ林と菊炭窯」の見学に行きました。
菜種梅雨の合間、めずらしくこの日は青空が広がりました。午前10時、能勢電鉄「妙見口」駅前に受講者とスタッフ総勢26名が集合、森林インストラクターの石川恒夫先生の案内で里山散策に出発しました。
ここ「黒川」は「能勢の妙見さん」の麓に広がる地域で、茶道で有名な「菊炭」の産地。「菊炭」は断面がまるで「菊の花」のような文様で、火付き、火もちが最適なうえに燃え尽きたい白い灰がそのままの姿で残るなど、「わび・さび」の世界には欠かせないものとされています。また、炭の原材料となるクヌギを育てるための伝統的な里山管理が今なお続けられていて、「日本一の里山」「本物の里山」とも言われています。
ケーブル駅下を通り、国道沿いに少し歩いて、やがて右に折れて山道の入ると、古い炭焼きの窯跡があって、その背後に「台場クヌギ」の林が広がっていまし た。
およそ8年から10年の間隔で、一定の高さでの萌芽と伐採を繰り返えされてきた「台場クヌギ」は、土台部分だけがゴツゴツとして太く、枝を伐り落とさ れたばかりのそれらは巨大な拳のモニュメントのようでもあり、器械体操の「あん馬」のようでもあります。
昼のお弁当はレトロ感満載の旧黒川小学校で食べました。建物は二十四の瞳の「岬の分教場」ならぬ二十六人の「森の分教場」といった風情。今は廃校となって、地域の公民館として使われているそうです。
伐採は、輪伐といって、エリアごとに移動しながら 進めていくため、秋の里山はパッチワーク模様に色づくといわれています。
午後は「エドヒガンザクラ」の群生を見たあと、「菊炭」を生産されている今西さん宅の炭焼き窯を見学。この日は窯焼きが終わったあとの冷却期間で、窯の内 部は見られなかったものの、金属パレットに入れて庭に積み上げられた山のような原木や小屋に保存された大量の「菊炭」など、炭焼き現場の雰囲気を十分に味 わうことができました。 (文責、成瀬)