気温の上昇と共に「ナラ枯れ」被害をもたらす「カシノナガキクイムシ」のマスアタック(集中攻撃)が始まりました。これから「ナラ枯れ」被害が拡大する恐れがあります。
下は、6月8日(月)に箕面市内「しおんじ山」で撮影された写真です。根元に、たくさんの穴があいています。(6月6日(土)には、ほとんど穴は空いていませんでした。)
フラス(木くず)の状況から「カシノナガキクイムシ」(以下カシナガ)の雄が入った穿孔と判断されます。
カシナガの新成虫が羽化・脱出し、まず雄が幹に孔を掘り、集合ホルモンを発散し、集合ホルモンに誘引された多数の雌雄成虫が樹木に穿入します。
マスアタック(集中攻撃)を受けた樹木は、樹木内にナラ菌が蔓延し、通水機能を失ってしまうと枯れてしまいます。
「ナラ枯れ」被害防止グループでは、この時期、雄が穿入した樹木に粘着シートを外側に向けて貼り、集合ホルモンで誘引されたカシナガを捕捉する作業を行っています。
その時、粘着シートの上には、網目が5mmの防風ネットを貼って、他の生き物が捕捉されるのを防ぎます。
下の写真は、作業中に早くも集合ホルモンに誘引されて集まってきて捕捉されたカシナガです。
粘着シートには、たくさんのカシナガが捕捉されています。
箕面では、粘着シートの貼り付け(内向き・外向き)などによる応急処置と枯死木の場所確認を主に市民団体(「ナラ枯れ」被害防止グループ)が担い、冬場の伐倒くん蒸処理や樹幹注入(今年から実施予定)は箕面市(森林組合)が行うなど、市民と行政の「協働」による対策が行われています。
四季折々に美しい箕面の山なみ景観は、かけがえのない財産です。
「ナラ枯れ」被害の急拡大を抑えるために、一緒に山に入って作業を行っていただけるボランティアを募集しています。
次回の定例活動日は、6月15日(月)です。NPO法人みのお山麓保全委員会事務局までご連絡をお願いします。