【みのお森の学校】12期 8回目川西市黒川へ菊炭の里山へ行きました。
「みのお森の学校」第8日目はフィールドワーク。「日本一の里山」「本物の里山」といわれる兵庫県川西市黒川地区を訪れました。
黒川地区は妙見山の麓に広がるのどかな農村地帯。ここがなぜ日本一の里山と呼ばれているの?
午前10時、能勢電鉄「妙見口駅」に集合。本日の参加者は生徒の皆さん14名、スタッフ5名と講師の先生の、総勢20名。前日から降り続いていた雨も、全員の顔が揃った頃には上がっていました。講師は、今年も森林インストラクターの石川恒夫先生にお願いしました。
花折街道」の緩やかな登り道。周囲の山には群生する「エドヒガン」。そして「ウグイス」の鳴き声。全身に春を感じながらの里山散策がスタートしました。妙見ケーブル駅を右手に見ながら、国道沿いに2-3百メートル西へ。右に折れて山道に入ると、本日の第一目的地である台場クヌギの林が広がっていました。
「クヌギの木で炭が焼かれます。10年ぐらいの間隔で伐採と萌芽が繰り返えされてきた結果、土台部分だけ太くなっています。これが台場クヌギです」と石川先生が説明。先生は実際に伐採のボランティアにも参加されておられます。「明るい低木の林、はるか昔から人間の手でこうした環境を維持してきました。これが本来の里山の姿。この地域は今もそれを守り続けています」――「日本一の里山」といわれるゆえんは、これ。座学では得られないほんとうの里山を生徒の皆さんは体感しました。
「となりのトトロ」にでてきそうな昭和感いっぱいの「旧黒川小学校(現公民館)」でお弁当を食べたあと、黒川で唯一「菊炭」を生産しておられる今西さんの炭焼き窯を見学に行きました。
「昔はこのあたりのたくさんの家が炭を焼いていたんだが、いつの間にかうち一軒だけになってしまった」と今西さん。「どんな木でもいいのか?って。そりゃ白菜でも炭になるけど、菊炭はクヌギでないとダメ」「煙突の出口にマッチ棒をかざして1,2,3と数えて火がついたら、ちょうど窯の火を止めるタイミングだ」など、今西さんは生徒さんたちの質問に一つひとつ丁寧に答えてくれました。
4時間ほどの道程。駅までのもどり道。「思っていた里山のイメージとはだいぶ違っていました」「クヌギの萌芽力ってスゴイ」などの感想を聞いて、生徒さんたちにとって印象深い一日になったと確信しました。
追伸、石川先生ありがとうございました。(文責なるせ)