明治の森箕面国定公園/エキスポの森でもアライグマの生息を確認、生態系への悪影響が懸念!
NPO山麓委員会「生きもの会議」(リーダー近藤万里さん)は、明治の森箕面自然休養林管理運営協議会と連携して、5月16日から自然休養林(国定公園内)で、定点カメラを設置して、哺乳類の生息状況のモニタリング(継続監視)を始めています。
開始以来、多くのシカやイノシシ、ニホンザルが撮影されていますが、今回、アライグマが定点カメラに撮影され、エキスポの森でもアライグマが生息していることが確認されました。
尾に縞模様があるのと、目の周りに黒いマスク模様があるのがアライグマの特徴です。
№23地点のアライグマ(尻尾がちぎれている、7月21日3:52AM撮影)と№25地点(7月2日11:50AM撮影)のアライグマは別個体であり、少なくても2頭の生息が確認されました。
このアライグマ、主に夜行性で、年1回春に3~6頭の子を産み、繁殖場所は木の洞や人家の屋根裏などです。雑食性で、小型の哺乳類、野鳥とその卵、魚類、両生類、は虫類、昆虫類、果実、野菜、穀類などを食べます。
北米原産の動物で、日本には生息していませんでしたが、1977年にテレビアニメが放送されたことをキッカケにペットとしての人気が高まり、飼いきれなくなった個体が野外に放たれ、野生化するケースが全国で相次ぎ、幅広い食性と繁殖力が旺盛なことから、急激に個体数を増やしています。
野生化したアライグマは、農作物の食害や家屋侵入による生活環境汚染を引き起こす他、貴重な明治の森箕面国定公園内の生態系への悪影響が懸念されています。
日本には天敵となる生物がいないために短期間で大量に増加し、在来種(カエルや野鳥の卵やヒナなど)を捕食して減少させたり、在来種(タヌキやキツネ、アナグマなど)と競合した結果、生息場所を奪ってしまう行動が危惧されています。
箕面市では、平成24年度で24頭のアライグマが捕獲されています。
主に止々呂美地区や山麓部での捕獲ですが、今回、エキスポの森での生息が確認されたことから、森林部である国定公園内でも繁殖が確認されました。
大阪府域では、平成14年度以降、捕獲頭数が急激に増加しており、今後、爆発的な個体数の増加が予想されています。
生息地の早期発見と、捕獲などの対策実施が望まれています。
*詳しくは、大阪府のホームページをご参照ください。
http://www.pref.osaka.jp/doubutu/yaseidoubutu/raccoon.html