6月5日(土)「こもれびの森」の植生調査を行いました。防鹿柵の中では、シカによる食害から守られて、たくさんの植物が発芽、成長しています。
市民の森である「こもれびの森」では、2018年の台風21号による倒木被害が多数発生した後、大阪府の事業として倒木撤去などが行われ、防鹿柵(金柵)が設置されたために、柵内では徐々に植生が復活しており、にぎやかになっています。
6月5日(土)明治の森箕面自然休養林管理運営協議会の市民団体メンバーである箕面自然調査会や清水谷をまもる会の皆さんと一緒に植生調査をしました。
↓倒木撤去後/金柵設置前の様子(Aネット設置前の才ケ原林道沿い)2019.11.7
↓Aネットの才ヶ原林道沿い防鹿柵(金柵)の中の様子2021.6.5
↓同じ地点の防鹿柵(金柵)の外の様子2021.6.5
防鹿柵の外↑で、確認された種は6種です。
センダン、ナンキンハゼ、アセビ、ヒサカキ、マツカゼソウ、オオバノイノモトソウ。全て、シカが嫌いな植物です。
防鹿柵の外では、数種しか植物がないのに、柵の中では、たくさんの植物が芽を出しており、見た目にも違いは明らかです。
箕面の山のシカによる食害で、植生が衰退していることが分かります。
スギ・ヒノキの倒木撤去後の日当たりの良い斜面では、他の種に先駆けて発芽、成長する先駆種(パイオニア植物)と呼ばれる種がたくさん成長しています。
確認した先駆種(パイオニア植物/木本)
1,カラズザンショウ(落葉・高木)、2,アカメガシワ(落葉・高木)、3,キリ(落葉・高木)、4、タラノキ(落葉・低~小高木)、5,ヌルデ(落葉・小高木)の5種が目立っていました。
その他、木本で確認した14種
1,ナンキンハゼ(落葉・高木/中国原産)、2、センダン(落葉・高木)、3エゴノキ(落葉・小高木)、4,タニウツギ(落葉・低木)、5,シロダモ(落葉・高木)、6,ムクノキ(落葉・高木)、7,ニワトコ(落葉・低~小高木)、8,ヒメコウゾ(落葉・低木)、9,コバンノキ(落葉・低木)、10,クマノミズキ(落葉・高木/幼木)、11,イロハモミジ(落葉・高木/幼木)、12,ケヤキ(落葉・高木/幼木)、13,エノキ(落葉・高木/幼木)、14,ヒノキ(幼木)
他にも草本では、28種を確認しました。
1,イヌホウズキ、2,ボタンズル、3,クサイチゴ、4,ニガイチゴ、5,ヤブヘビイチゴ、6,オニタビラコ、7,チチコグサ、8,ハハコグサ、9,カラムシ、10,セイタカアワダチソウ、11,アメリカオニアザミ、12,ヒメジヨン、13,スゲの仲間、14,ツユクサ、15,ムラサキケマン、16,ヘラオオバコ、17,ヨモギ、18,アケビ、19,チドメグサ、20,ヒヨドリジョウゴ、21,カタバミ、22,ナツヅタ、23、ミヤマシラスゲ、24,ツメクサ、25,ヨウシュヤマゴボウ、26,オカトラノオ、27,シロツメグサ、28,イヌガラシ
その他、シダ類では3種確認しました。
1,オオバノイノモトソウ、2,イワヒメワラビ、3,ヤブソテツの仲間
才ヶ原林道沿いの金柵を通して、柵内を観察しただけで、ざっと計50種を確認することが出来ました。
ほぼ同じ環境のすぐ横の柵外は6種程度なので、違いは明らかです。
才ヶ原林道を歩かれた時は、ぜひ防鹿柵(金柵)の中の植物を観察してみてください。
たくさんの植物が発芽、成長しているのを見ることが出来るでしょう!
(追記)
同じ日、6月5日(土)には箕面の山にキコリ隊の皆さんが、上記の金柵とは別の場所の防鹿ネットの補修を行いました。
増えすぎたシカによる食害対策としては、本格的な頭数管理が有効ですが、まだまだ頭数が減っいません。
緊急避難的な対策として、防鹿ネットの設置を進めています。
見廻りや補修が必要となっています。
多くの市民の皆さまのご協力をお願いします。