ホタルの保全のため、大阪府・箕面市と、ホタルの生息情報や河川管理情報の共有のための連絡会を行いました
5月11日、大阪府の池田土木事務所で、行政と市民団体が、ホタルの生息状況および河川工事情報を共有するための連絡会を行いました。行政は大阪府の北部の土木事業を担う池田土木事務所の河川砂防グループと環境整備グループ、箕面市公園緑地室が参加し、市民団体からはNPO山麓委員会、箕面ホタルを守る会、生きもの会議が参加しました。
箕面市で唯一のヘイケボタル生息地である勝尾寺川の支流帝釈寺裏を流れる箕川は、コンクリートで護岸された川べりに土砂が堆積して、その上に草が茂っています。このような環境は、水質の浄化や生きものの生息地として一役かっている一方で、川の水がスムーズに流れにくくなって、増水しやすくなります。そこで定期的に土砂を除去して維持管理を行います。また、治水とあわせて農業用水としての利水の維持管理機能も求められます。
2016年3月に、帝釈寺の裏の箕川で、ヘイケボタルが暮らしている場所の土砂の除去行われました。この工事は治水・利水上必要なことだと思われますが、ヘイケホタルが生息していることが池田土木事務所に情報共有されていれば、ヘイケホタルの生息に考慮した工事方法について事前に協議し、地元の理解と協力が得られたと考えています。
情報の共有化や意見交換の場がなかったことを反省して、毎年、定期的に市民団体のもっているホタルの生息地情報や行政による河川の工事予定情報などの情報の共有化と意見交換を行う連絡会を開催することにしました。
※毎年、5月中旬の開催を予定していますが、これは、行政の年間の工事予定が確定する時期であると共に、行政職員が新しく着任しても、受け継いでいけるようにと考えて設定しました。
5月11日の連絡会では、まず、ホタルを守る会から箕面市域全体のホタルの生息状況や最近の傾向を紹介しました。気になる帝釈寺裏のヘイケボタルは、昨年3月の土砂撤去で激減しましたが、絶滅せずに数頭発光しているのが確認されていると報告されました。続いて、池田土木事務所から今年度の河川工事、護岸工事の予定情報を報告してもらいました。今年度はホタルの生息地での大きな工事は計画されていないようです。ただ、今回、河川の状況を定期調査した結果、箕面川の桜低橋付近で、川べりに木が生えてきている部分があり、ここを伐採する計画があることがわかりました。このあたりは最近ゲンジボタルが増え始めている場所で、人工的な光が遮られる夜の「木陰」はホタルにとって大事な場所です。さっそく今週、池田土木事務所とホタルを守る会が現場を一緒に見て、どのような点に留意して伐採を行うか協議することになりました。
今年も春日神社のヒメボタルや勝尾寺川のゲンジボタルの情報が出始めています。これから7月上旬頃まで箕面の各地でホタルが見ることができます。
ホタルを守る会では、マナーを守ってホタルを観察することを呼び掛けています。
1.ホタルを持って帰ることはやめましょう!
2.採ったりせずに、鑑賞するだけにしてください。
3.まわりの人の迷惑にならないようにしましょう
4.ゴミは必ず持ち帰りましょう!
5.懐中電灯やカメラのフラッシュをホタルに向けないでください!
6.危険なところには入らないでください!
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