哺乳類の生態調査を目的とした定点カメラを設置
5月16日(木)午前、明治の森箕面自然休養林にある清水谷とエキスポの森で、哺乳類の生態調査を目的とした定点カメラを、計6台設置しました。設置には、NPO山麓委員会「生きもの会議」のメンバーである近藤万里氏を中心として、箕面森林管理事務所(国)の職員や「清水谷をまもる会」「箕面自然調査会」「大阪自然環境保全協会」の市民やNPO山麓委員会事務局など、9名が参加して行いました。
この活動は、定点カメラ(赤外線センサー付き自動撮影カメラ)を用いて撮影し、中・大型哺乳類の種類や撮影頻度の変化を、長期的(5年間以上)にモニタリングするものです。
中・大型哺乳類は、他の生き物くらべて体のサイズが大きく、より豊富なエサ資源や十分な面積の生息場所を必要とし、その存在は「生態系の豊かさ」を象徴するものですが、昨今は、温暖化や狩猟圧の低下などによりシカなどの特定在来種の頭数が、過度に増えた事により、「シカの好きな植物」の植生が消滅し、「シカの嫌いな植物」だけが残るなど、森林の自然植生の衰退が顕著となっています。
下の写真は、シカの角研ぎの跡です。
又、最近ではアライグマなどの外来哺乳類が侵入し、在来の哺乳類との競争や捕食による生態系への悪影響も問題となっており、箕面市でも平成18年~23年の6年間で、アライグマは146頭、捕獲されています。
調査地点の選定には、森林内の「けもの道」などの足跡や痕跡をさがして、シカやイノシシなどの哺乳類がよく通過していそうな所で、人があまり通らない所を選びました。
本年度は、哺乳類がよく写る場所を探すために、設置場所はいろいろと変えてみて、最終的には定点撮影調査にする予定です。また、植生や地形の異なる様々な場所にも台数を増やして設置して、モニタリング調査を行う予定です。
モニタリング調査のデータは、シカなどの保護管理計画に使用します。撮影されたデータは、哺乳類の生息調査以外には使用しません。皆さまのご理解とご協力をお願いします。
下の写真は、清水谷の防鹿ネット内のフタバアオイの写真です。よくみると、かわいい花が咲いています。
明治の森箕面自然休養林管理運営協議会では、来年度から本格的な活動を行うにあたり、6月20日(木)午後1時半から、みのお市民活動センター多目的室で、「シカの食害対策の取り組み、勉強会」を行います。情報の共有化や意見交換などを行う勉強会にご参加ください。