「明治の森箕面自然休養林」の安心・安全管理について
昨年11月、総務省の行政評価局より、「レクリエーションの森の利用・管理等に関する行政評価・監視結果報告」が発表されました。行政評価局は、各省庁や行政の政策や制度が効果的に機能していることを監視する役割があり、今回は林野庁の「レクリエーションの森」について、利用者の視点から安全性や利便性について評価が行われました。
大阪、兵庫、和歌山、滋賀の10か所が対象となりました。レクリエーションの森の利用・管理等に関する行政評価・監視結果報告
「明治の森箕面自然休養林管理運営協議会」(事務局:NPO山麓委員会)では、この報告を受けて、同評価局の評価監視官に同協議会の例会(12/15)に参加していただき、「明治の森箕面自然休養林」に関しての報告の説明をしていただきました。
同協議会は、近畿中国森林管理局と「レクリエーションの森」の整備・管理及び活用に関する協定書を締結して、平成21年(2009年)4月に設立されました。多くの市民団体や行政が連携して、情報の共有化と意見交換を図りながら、同休養林の環境性・保全、活用、PR・普及啓発、利用者の安全対策、生物多様性の保全など、さまざまな活動を継続的に行っています。
活動計画などはこちらをご参照ください。
なかでも、利用者の安心・安全に関しては、平成23年(2011年)に、公益信託みのお山麓保全ファンドの特別助成を受けて、山間・山麓部60か所に「箕面の森の案内板」を設置して、補修、維持管理活動を継続するなど、活発に活動を行っています。
※緊急ポイントには、ナンバーが表示されており、万が一、山で事故があったときは、このナンバーを消防署に伝えると、消防署はナンバーの位置を把握しているので、迅速な対応が可能となります。
その他、同協議会委員の市民団体「みのお里ぷら」を中心に、別途、山間・山麓部に約200枚の案内誘導板を設置、維持管理を行いながら、利用者の安心・安全対策を継続しています。
今回の行政評価局から指摘を受けた東海自然歩道の道案内についても、早速、「みのお里ぷら」のボランティアスタッフが案内誘導板を取り付けて、即、改善しました。
路肩が大きく崩れた林道の整備や大阪府や国(林野庁)が設置している案内板の保守管理は、行政の役割分担ですが、応急的な処置や簡易な案合板については、市民が中心となった同協議会が維持管理を行っています。
このように、行政と市民団体が同じ目標に向かって、情報交換や意見交換を行いながら「協働」の取り組みを行っている明治の森箕面自然休養林の取り組みについて、同協会例会(12/15)に参加された行政評価局の監視官からも高い評価をいただきました。
箕面の国有林は、「明治の森箕面自然休養林」としてレクリエーションの森に指定されています。大都市近郊にありながら、豊かな自然環境や歴史・文化に恵まれた場所として、評価され重要な森として位置づけられています。
※ レクリエーションの森について
国有林の中でも森林浴や自然観察、野外スポーツなどに適した森を「レクリエーションの森」とし、林野庁によって積極的な利用促進がなされています。それぞれの森林の特徴や利用の目的に応じて、自然休養林、自然観察教育林、風景林、森林スポーツ林、野外スポーツ地域、風致探勝林の6種類に区分されます。 箕面の国有林は特に景観が美しく、保健休養に適した森林として、自然休養林に区分されています。
国有林の管理のあり方について、木材生産の場としての管理から、生物多様性保全、地球温暖化の防止、防災や生涯学習の場など、森林の多面的機能を引き出す管理に重点が置かれるようになりました。これは健康やワークライフバランス(余暇の充実)、森林とのふれあいや環境教育等などの私たちの社会的なニーズが多様化したためです。
また、明治の森箕面自然休養林は、箕面国定公園の区域内にあります。箕面国定公園は1979年12月11日に制定され、今年2017年に指定50周年を迎えます。国定公園の管理を行う大阪府は、「50周年を機に、さらなる利用を促進したい。啓発ポスターやイベント情報誌などを発行する予定」と話しており、NPO山麓委員会も協力していく予定です。
四季折々に美しい明治の森箕面自然休養林をお楽しみください。そして、この豊かな森を次の世代に残していくために、できることをいっしょに行っていきましょう!