2月12日(木)箕面で「森とみどりの新たな対策とその財源のあり方を考える」懇談会を行いました。出来る限り早期に、大阪の森とみどりに対する新たな対策が実施される事が期待されます。
大阪府では、「大阪府森林の保全及び都市の緑化の推進に関する調査検討会議」を設置し、森林や都市のみどりを保全・創出し、健全な形で次世代に引き継ぐための新たな対策や財源のあり方について検討を進めており、今回中間とりまとめが行われました。
北摂地域でも、大阪府主催で「タウンミーティング」が池田市の豊能府民センターなどで昨年来行われて来ましたが、箕面では、NPO法人みのお山麓保全委員会が、出前懇談会を大阪府みどり推進課に要請し、2月12日(木)に箕面文化・交流センター4階の会議室で懇談会を行いました。
この日は、大阪府や箕面市の職員の他、山麓保全活動の参加者に加えて、山林所有者、街なかのみどりや景観関係の方など、17名の方が集まりました。
最初に、大阪府森林の保全及び都市の緑化の推進に関する調査検討(中間取りまとめ)を、大阪府環境農林水産部/みどり推進課、森づくり支援グループの職員から、ご説明を受けました。
大阪府の中間取りまとめの概要としては、「緊急かつ集中的に実施すべき新たな事業で、その受益が広く府民に提供されるもの」という基本的な考え方で、①自然災害から府民の暮らしを守る、②健全な森林を次世代につなぐ、③みどりの充実により魅力ある大阪を創出するなどの3点をあげています。
「自然災害から府民を守る」では、新たな財源確保により、山地災害危険地区内で、これまで未着手の森林について、危険渓流の流木対策や国道・府道添いの森林の健全化を図るなど災害防止対策を実施するとなっています。
詳しくは、こちら→http://www.pref.osaka.lg.jp/midori/midori/shinrin-ryokka_giji.html
これらを施行するための新たな財源については、全国35県が(近畿では、兵庫・奈良・滋賀・和歌山県など)、森林環境税として導入しています。
*他県では、森林整備が中心ですが、大阪府では、都市部のみどりの充実をあげているのが特徴だと思います。
他県の税額としては、個人当たり400円~1200円などとなっており、法人府民税の上乗せも導入している県もあります。(大阪府では個人を予定)
概要説明を受けた後、13:30分から約1時間45分間、参加者から計20件の質問意見をお聞きして、意見交換などを行いました。
なぜ、新しい財源が必要なのか、森林予算が減っているからなのか、財源が無ければ新しい対策は無理なのかなど、財源の必要性についての質問や従来予算に上乗せにすべきとの意見がありました。
森林の保全については、里山管理や生物多様性の保全、シカによる食害、ナラ枯れ被害の防止など、総合的な保全対策の中で、新たな財源による対策を見えるようにして欲しいとの意見があった他、人工林については、もっと公共的な所で木材の使用を増やせないかなどの意見もありました。
街なかのみどりの関係では、緑化の指標として、従来の緑被率に加えて、緑視率の考え方も取り入れるべきという意見、府民協働の仕組みつくり(中間支援組織が必要)が大切という意見、出来る限り多くの府民の賛同を得るべきなどの意見がありました。
山林所有者(多くは農家)からは、山につながる川や池、水につながる議論も行うべきという意見がありました。ある水利組合では、ため池の維持管理に年間420万円も必要であり、将来的には水利組合の財源だけでは、維持管理が困難になるとの報告もされました。
また、山林の場合、土地がだれの所有か分からないなど地籍調査の課題も報告されました。
最後に、大阪府の森林の保全や、都市の緑化の推進のために、もっと府民に理解してもらうために、分かりやすいキャッチコピーを作る必要性があるとの意見がありました。
今後、これらの意見交換が活かされて、出来る限り早期に、大阪の森とみどりに対する新たな対策を行うことができるようになることが期待されます。