「明治の森箕面自然休養林管理運営協議会」が貴重な植生を保護するために、清水谷で「防鹿ネット」の設置を行いました。
明治の森箕面自然休養林管理運営協議会(国・府・市などの行政、専門機関や12の市民団体で構成/事務局は山麓保全委員会)は、明治の森箕面自然休養林(箕面国有林)などを対象として、市民団体が中心となり、自主的な活動により同自然休養林の整備・管理、及び活用を円滑に行う事を目的として、さまざまな活動を行っています。
9月9日(木)、「清水谷をまもる会」の6名を中心に、林野庁の職員3名(京都大阪森林管理事務所、箕面森林ふれあい推進センター)に加えて、「箕面の山きこり隊」2名、NPO山麓保全委員会事務局の計12名で、課題となっていた清水谷の防鹿ネットの設置(復旧)を行いました。
防鹿ネット設置前の様子
シカが嫌いなダンドボロギク(立ち枯れ)やマツカゼソウなど、限られた植物しか生育していない状態です。
朝、午前10時から設置作業を行いましたが、急なガレ場のような斜面であるために、予想以上の時間がかかり、昼の30分休憩を含めて、午後1時45分位までの汗を流しての作業となりました。
この斜面は、2011年から防鹿ネットを設置して、植生を保護していた場所です。2018年9月の台風による強風の影響で、この斜面でもスギヒノキの人工林が大規模に倒れました。
その後、林野庁に倒木の撤去を行っていただいたことから、今回の防鹿ネット設置を行うことが出来ました。
最初に、ネットの支柱を打つために、地面に穴をあけて、四角のポールを打ち込みます。その後に、丸いポールをかぶせて、上部にネットのロープを固定する器具を取り付け、ネットを張り巡らせます。
立木があるところは、ポール(支柱)の代わりに、ロープを巻いて活用しました。
場所による岩場などの影響で固いところもあり、斜面なので、足場も悪く、何回か滑りながらも、何とか防鹿ネット(周囲約100m)を張ることが出来ました。
清水谷は、北摂山系の中では、珍しく、東西に谷が走っており、周辺地域とは気象環境が異なることから、多様かつ希少な植物が生育しており、「清水谷をまもる会」などが貴重な植生を守るために、地道な活動を継続しています。
明治の森箕面自然休養林管理運営協議会でも、市民が中心となり、行政(国)の協力を得て、生物多様性の保全を目的として、2010年から清水谷に「防鹿ネット」を設置して、増えすぎたシカによる食害を防ぎながら、植生保護を行っています。
今後も、行政(国・府・市)と市民との「協働」の取り組みで箕面の貴重な自然植生を守る活動を進めて行く予定です。