みのお山とみどりのフェスティバル生物多様性研究フォーラム「箕面の外来生物と生物多様性」(2/11)を開催しました。当日資料の概要を公開しましたので、ぜひご覧ください!
近年、外来生物が箕面の生物多様性や生態系に悪い影響を与える恐れがあることが懸念されていることから、外来生物についての理解を深めて、箕面の森での生物多様性の保全の取り組みを考えるために、生物多様性研究フォーラム「箕面の外来生物と生物多様性」を開催しました。
箕面の関係者の他、全国の研究者や行政機関、関係団体、環境系企業の皆さまなど、生物多様性の保全に関心を持つ多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。
当日、参加出来なかった方や再度ご確認されたい方は、下のPDF当日資料の概要をご覧ください!
日時:2022年2月11日(金・祝)13:30~15:40
主催:箕面市・NPO法人みのお山麓保全委員会
共催:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 生物多様性センター
後援:明治の森箕面自然休養林管理運営協議会
開催方法:オンライン(Zoomウェビナー)及び一部視聴会場にて
参加者:129名
↓(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 生物多様性センター
≪内容≫
【基調講演】
○大阪府立大学名誉教授・(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 理事長 石井 実氏
箕面・北摂地域の生物多様性と外来生物問題 (←PDF当日資料の概要)
箕面・北摂地域の自然、重要里地里山トホットスポット、野生鹿と外来生物のリスク、外来生物問題と対応などの話題提供をしていただきました。
侵略的外来種の早期発見、侵入初期の緊急防除対応(予算確保を含む)などの初期対応が重要であり、地域住民や専門家、行政と連携した対策を実施することが外来種対策を成功させるパターンであるなどの提言をいただきました、
【報告】
○(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 生物多様性センター 幸田 良介氏
大阪・箕面の生物多様性を脅かす外来生物の現状(←PDF当日資料の概要)
大阪は外来生物問題の最前線地域であり、対策には普及啓発の強化と継続的な取り組みが必要、市民の目も活用した監視体制の構築と素早い対策実施が必要であり、情報の集約と発信の拠点として、生物多様性センターの役割を強化したいとの報告をいただきました。
○株式会社 バイオーム 代表取締役 藤木 庄五郎氏
市民参加型の生物多様性モニタリングの現在と展望(←PDF当日資料の概要)
生物多様性を守るために、スマートフォンに着目し、生物多様性を楽しみながら調査ができるいきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」(いきもの全種に対応した名前判定AI)を開発しており、市民による投稿が特定外来種の早期発見(アラート)につながるケースもある他、生物多様性の4つの危機に関する課題を取り上げて開発に取り組んでいくとの報告をいただきました。
○林野庁 近畿中国森林管理局 箕面森林ふれあい推進センター 中田 茂巳氏
エキスポ90みのお記念の森での生物多様性保全に向けての取組(←PDF当日資料の概要)
箕面森林ふれあい推進センターとして、地域の団体や関係行政との協働の仕組みの中で、増えすぎたシカの食害対策を含めた自然再生の推進、フィールドを活かした環境教育の取組など実施しているとの報告をいただきました。エキスポ’90みのお記念の森「箕面体験学習の森」に是非おいで下さいとの呼び掛けがありました。
【ディスカッション】
ここまで講演・報告をしていただいた4人がパネラーとなり、NPO法人みのお山麓保全委員会事務局(高島)が参加して、ディスカッションを行いました。
箕面の彩都地区で生息域を広げている特定外来生物ナルトサワギクを取り上げて、外来生物対策の進め方について意見交換を行いました。早期発見、早期対応の重要性と市民や専門家、行政を含めた取り組みが必要であるとの意見で一致しました。
次に、箕面・北摂地域の生物多様性保全の今後について、増えすぎたニホンジカ対策を中心に、生態系の健全性回復などについて意見交換を行いました。
防鹿柵の設置による植生の保護や頭数管理、モニタリング調査、市民への啓発などの対策強化に取り組む必要性を確認しましたが、抜本的な対策は難しく、次の研究フォーラムへの課題を残しました。
終わりに、石井実氏により、まずは市民が目の前の外来生物を認識する、市民と連携した監視を行い、かつては日本三大昆虫の生息地と呼ばれた生物多様性のホットスポットである箕面の森の保全に今後も取り組んでほしいとの呼び掛けがありました。
山麓委員会事務局からは、2月19日に行うナルトサワギクの除去活動などの今後の活動紹介をあり、生物多様性研究フォーラムを終了しました。
☆備考
※オンライン参加(所属名記載のみ/順不同/箕面の団体以外)
北海道大学、琉球大学、大阪大学、大阪府立大学、長崎大学、京都大学、京都府立大学、東京農工大学、滋賀県立大学、大阪みどりのトラスト協会、大阪自然環境保全協会、関西自然保護機構、WWFジャパン、日本チョウ類保全協会、日本鱗翅学会、日本生態学会、昆虫同好会、大阪市立自然史博物館、天王寺動物園、石川県立自然史資料館、大阪府農業会議、大阪府高齢者大学校、とよなか市民環境会議アジェンダ21、加古川の里山・ギフチョウ・ネット、交野みどりネット、ふじのくに地球環境史ミュージアム、四街道メダカの会、㈱地球快適化インスティテュート、西部環境調査、環境科学大阪、長野県環境保全研究所、森林総合研究所関西支所、環境省、林野庁京都大阪森林管理事務所、大阪府、箕面市、環農水研生物多様性センター、箕面森林ふれあい推進センターなど
全国から多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。
一部音声や司会進行の不具合などについてお詫び申し上げます。
引き続き、ご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
(NPO法人みのお山麓保全委員会事務局 高島文明)
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