森林総合研究所の衣浦先生を講師としてのナラ枯れ防止の現地指導会、率直な質問や意見交換が行われ、活動に対して高い評価を受けました。皆さまのご支援・ご協力をお願いします。
ナラ枯れ防止グループは、2009年からどんぐりのなる木を守るために、活発な活動を継続していますが、7月3日(月)、森林総合研究所関西支所生物被害研究グループ長の衣浦晴生先生に来ていただいて、ナラ枯れ防止のための現地指導会を行いました。
午前は、箕面市の会議室で、今までのナラ枯れグループの取り組みの紹介が行われた他、現場からの質問に対しての衣浦先生から回答をいただき、昼食後、箕面の山麓部の現場を視察していただき、様々な助言をしていただきました。
この日は、箕面市公園緑地室やNPO山麓委員会の他に、池田・人と自然の会、豊中アジェンダ21自然部会、㈱ガーデンラボ梅田スカイビル担当の方も参加していただきました。(梅田でもナラ枯れ被害が発生)
昭和30年代後半からの燃料革命などで、里山(薪炭林)の経済的な価値がなくなり放置されてきたことがナラ枯れ被害が拡大する要因と言われていますが、箕面の山麓部でも樹齢40~50年のコナラ・アベマキなどの大径木を中心にナラ枯れで枯死する木が増えています。
ナラ枯れ防止グループでは、年度ごとに実情にあわせた施策を行っていますが、直近の3年間の枯死木の数は、2014年364本、2015年530本、2016年473本となっています。(同グループ調査)
箕面では、住宅地の北側に広がる森林が「山なみ景観保全地区」に指定されており、多くの市民団体と行政による森を守り活かす活動が行われています。
ナラ枯れ被害についても、放置すれば、枯死木で山が夏でも真っ赤になってしまうことから、行政と市民団体が意見交換や情報交換を行いながら、お互いの役割分担を行いながら、出来る限りナラ枯れ被害を少なくする活動を行っています。
現地指導会の様子
2017年度の同グループの取り組みとしては、①昨年に枯死した木に防虫ネットを巻きカシノナガキクイムシの飛散を防止、②コナラの健全木胸高直径30㎝以上に防虫ネットを巻きカシナガの飛来を防御、③重点地区を決めて防虫ネットを巻く、④被害木に№テープを巻いて監視するなどの活動を行っています。防虫ネットを巻いた木は、2016年116本、2017年(6/27まで)は127本です。
また、夏から秋にかけて、枯死したナラ枯れ被害木の位置情報を行政に伝えるためにGPSデータを地図に落とし込むなどの活動も行っています。
行政(箕面市)は、冬場に枯死木の伐倒燻蒸処理を行いますが、行政職員がいちいち山に入って位置を調べるのは困難であり、日ごろ山を歩いている市民団体が調査を行っています。市民団体は、専門家を招いて指導を受けながら、調査とあわせて市民ができる応急的な処置を行っています。
費用対効果を考えて、現在最も有効な対策手法として、防虫ネットを使用しています。
防虫ネットの使用に関して
行政による処置、NPO山麓委員会による処置、いずれも資材など、一定の費用がかかります。森林総研の専門家からは高い評価を受けていますが、多くの市民の皆さまのご支援・ご協力をお願いします。
定例活動日は、原則毎月第1・3月曜日(午前・午後)です。(NPO山麓委員会集合)
また、ナラ枯れ被害防止を支援していただく募金も承っています。
多くの市民の皆さまのご支援・ご協力をお願いします。
※詳しくはNPO山麓委員会事務局までお気軽にご連絡ください。
(追記)
ナラ枯れ枯死木は、多くは大径木であり、ハイキング道などの木が枯れて落ちると、人に被害を与える可能性があり、同グループでは、ハイキング道の周辺を重点的に調査しながら、予防的な処置も行っています。