「ナラ枯れ」対策PT、効果的なカシナガの脱出・飛翔防止法を検討!
2月4日(月)、みのお市民活動センターで、アース製薬(赤穂市の業務用商品部)の研究員や箕面市農とみどり政策課の職員の方にも参加していただいて、「ナラ枯れ」対策PTの会議を行いました。
主な議題は、「ナラ枯れ被害木から、カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が飛翔・脱出するのをいかに効率的に防止するか」の検討です。
箕面では、平成24年に318本(枯死木40本・穿入生存木278本)の被害木が確認されており、このうち枯死木40本と生存木でも被害の大きい木は、冬の期間に、森林組合に伐倒・くん蒸処理をしてもらいます。
残りの被害木(生存木)には、伐倒・くん蒸処理を行わず(行えず)、カシナガが脱出・飛翔する前に、すべての木に粘着シートを巻き付けて、他の木に被害が拡大するのを防ぎます。
カシナガは、午前中の気温が20℃を超え、日が射した午前中に大量飛翔をするといわれており、その年の天候や気温により異なりますが、早ければ5月第4週くらいから始まる可能性があります。
PTでは、多くのボランティアの皆さまに参加してもらって、3月から5月までに(毎月2回の活動日)、手分けしながら粘着シートを巻き付けます。
山は広く、険しい地形のところも多いので、いかに効率良く少ない人数で、いかに効果的に粘着シートを巻くかの検討を行っています。
最初に、カシナガが地際で最も多く穿孔し繁殖しているのは分かっているので、どの位の高さまで粘着シートを巻いて、カシナガの飛翔・脱出を防止するのかを検討しました。
アース製薬が、昨年兵庫県篠山市で、コナラ枯死木を対象に高さ4mまで粘着シートを巻いて調査した結果では、高さ1.5mまでの設置範囲で、4mまでの約9割のカシナガを捕獲できたとの結果が残っており、手の届く1.5mの高さまでで、ある程度の効果がある事がわかりました。
ただし、生存木の場合は、比較的高い位置まで粘着シートを巻く必要があります。
次に、穴から脱出したカシナガを捕獲するために「スペーサー」をどのように効率的に取りつけるかです。直接シートを貼るより、スキマをつくった方がベターという事ですが、足場の悪い山中では大変な事です。
とりあえず、荒縄をラセン状に巻いた後に粘着シートを貼る事を考えています。その他の方法もテストしてみたいと思っています。
アース製薬では、作業効率の良い「ロールタイプ」(クラフト紙のタイプ)を2月末に発売予定なので、主にそれを使用したいと思っています。その他、カシナガの「正の光走性」に着目した透明感のある不織布素材のタイプも発売されるので、試したいと思っています。
最後は、粘着シートを巻き付けた最上部の手当てです。どうしても樹幹流により、粘着面が汚れて粘着効果が弱くなってしまいます。スキマをふさぐコーティング剤も考えたのですが、なにせ山の中で多くの作業をこなす必要があるので、かなり困難です。
とりあえず、強粘着性のテープを探して、グルグル巻きにするしかないようです。
この5月までに、すべての被害木に粘着シートを効率的・効果的に貼るのが、今年の被害拡大防止のための一丁目一番地です。
この作業を怠ると、後でどれだけ頑張っても焼け石に水だと思っています。
必要な粘着シートを購入するには費用がかかります。NPO山麓委員会では、一定の資材の購入も考えていきますが、資金面での体制つくりも必要です。
一般募集をしての活動日は、下記を予定しています。
3月4日(月)・18日(月)、4月1日(月)・15日(月)、5月10日(金)・20日(月)
みのお市民活動センターに、弁当持参で山に入れる恰好で、午前10時に集合してください。午後2時までの活動です。手分けして、1チーム3人位でまわります。
ベテランがリーダーになりますので、初めての方はお手伝いをお願いします。
【お問い合わせ】NPO山麓委員会事務局/携帯:090-1133-3615