【みのお森の学校18期6回目】1月15日「違うって素晴らしい」「森のおそうじ、森に恩返し」
1月15日 晴天 みのお森の学校6回目
令和5年新年早々、森の学校18期の第6回目が1月15日に開講しました。今回は18期生、21名が全員参加で、幸先の良いスタートとなりました。
午前中は、永浜久美恵先生より「生物多様性 ~違うってすばらしい~」について講義して頂き、先生からお年玉としてカラスウリの実が打ち出の小槌ということで18期生の希望者にプレゼントしていただきました。
講義は、生物の多様性とは?ということで、「生きとし生けるものは全てつながっている」という言葉で始まり、3つの多様性として、種・生態系・遺伝子のカテゴリーについて、なぜ種類が多いのが良いのか?なぜ色々な自然が必要なのか?なぜ個性が大事か?という視点で具体的に様々な生き物、例えばアサギマダラとキジョラン、サンコウチュウやキビタキ、福寿草とアリ、日本リス、ヤマガラ、カケス、熊、狸などがいかいに生態系に関係しているかについて具体的にわかりやすく説明いただき、生物がつながって生きていることをイメージアップすることができました。
次に、生物の多様性がなぜ大事なのか?それは生物の多様性が自然の恵みの基盤であり、生活に必須であるからだそうです。2020年世界経済フォーラムによると44兆ドルが自然に依存しているそうです。
そうした中で今の地球の状況は?というと、絶滅のスピードが危機的な状況にあるということで、1年間の絶滅種が1900年では1種であったが、2000年では40,000種すなわち13分に1種が絶滅しているそうです。これは驚きと同時に、このままではいけないという気にさせられました。
では、なぜ地球がこんな状態になったのか?について、特に外来生物と地球環境の変化について説明いただきました。
外来生物とは人間により持ち込まれた生物であり、自然による移動は含まないそうです。人がペットとして、食用として等、様々な理由で、在来生物以外の生物を持ち込み、そして放ったり、逃がしたりすることにより、在来種に影響を及ぼしてしまい生態系を変化させることになっているそうです。また地球環境の変化については温暖化により生物の分布が変わってしまうことになるとのことでした。
今回の講義では生物の多様性が人間の生活にいかいに関わっているか、そして大切であるかということをわかりやすく講義していただきました。最後に先生から「現在、原因不明で心と体に不調を感じる人が多いです。それは「自然欠乏症候群」という自然と遠ざかる事でひずみが生じるための不調です。生物多様性を守るには保護するだけでなく、使ったり食べたりして自然を知り、親しみ、感じ、自分に取り入れることも大事だと思います。自然は私達を癒してくれます。自然は私達に多くの事を教えてくれる大先輩です。地球という生物圏の一員として自然に暮らしましょう。」と締めくくられ、講義をまとめられました。
午後は、箕面の山パトロール隊が実施しているクリーンハイキングを体験しました。最初にパトロール隊の村上事務局長からパトロール隊について説明しただき、パトロール隊が2004年に結成されて以来、約20年にわたり、箕面の山で、毎月、箕面の山にある約15コースを清掃されていることや、トレイルの整備、動物調査、様々な企画ハイキングなどの活動をされていることを知り、普段何気なく歩いている箕面の山、そして道がいかに大切にされてきたかということを改めて認識しました。2021年の実績としてイベントは年間130日実施され、参加のべ人数は2,240名の方々が、5,890kgすなわち年間で約6tものゴミを回収されたそうです。ゴミの多さに驚きです。
本日のコースは2時間ほどのコースで、短めのコースでしたが、途中、山の斜面などにゴミを見つけるや、18期生のみなさんは果敢にゴミの回収に挑み、綺麗な箕面の山の維持に大きく貢献されました。皆さん曰く「何かすっきりした気持ちになれた」との感想を述べておられました。やはり、綺麗にするって気持ち良いですよね。
動物調査では、カメラのデータの確認をしました。今回はそれほどの多くの動物は記録されていませんでしたが、普段はサル、シカ、イノシイ、テン、タヌキなどの生物の写真が撮られているそうで、たまにおじさん?も写っているそうです。
コースの最後に訪れた望海展望台からは大阪市街と大阪湾が一望でき、今日は天使の階段も見ることができ、頑張ったご褒美をいただきました。
午後は天気を心配しましたが、雨が降ることはなく、生物の多様性の勉強とそれを守るための活動を体験した1日でした。
(文責 スタッフサポーター 深田)