【みのお森の学校】6月18日(日)12期の修了式が行われました。
昨年9月からスタートしたみのお森の学校は6月18日、
最終講義と修了証の授与式が行われ、多くの感動や思い出とともに幕を閉じました。
新たに、みのおの森の守りびと18人が誕生、終了証を手にした生徒さんの顔は、新たな知識や経験を身に着けた喜びと明日への希望で輝いていました。また、3人に皆勤賞の山麓委員会より缶バッチが贈られました。
修了式に先立つ最終講義のテーマは今日的課題。
まず中瀬校長が「箕面の森は今」と題して▽ニホンジカ、イノシシによる獣害▽ナラ枯れ、松枯れについて説明。「シカは北摂地域だけで数千頭がおり、1頭が1日で3キロの植物を食べる。生態系破壊が深刻になっている」と訴えました。また社会的問題では、みのお山麓委員会の高島事務局長が、箕面の緑を守り育て、子孫に受け継ぐ目的で、山林所有者、市民、行政三者協働による保全活動を支援する委員会が設立され、ファンドによる資金助成をはじめ、様々な活動へのサポートを展開していることを強調。「箕面の緑はこうした活動で維持されている。多くの人が守りびと活動に参加してほしい」と呼びかけました。
今回はボランティア団体から「箕面里山プラットフォーム」「森林セラピー研究会」の代表が登場して活動内容をアピール。生徒さんの関心を集めました。午後からは座談会形式で、この生徒さん各自が1年間の感想を語り、学習成果の分かち合いを行いました。様々な意見が出ましたが、少し紹介すると。「自然観察の途中、フンコロガシをみつけ、帰ってから親子で図鑑を見ながら語り合いました」「鳥に関心を持つと、次は餌になる昆虫、植物、これらを育む里山へ、関係性に注目するようになりました」「里山に多くに問題があることを知り、自然に負荷をかけず維持できるか考えるきっかけになりました」。中でも、箕面の山でマウンテンバイクを楽しんでいる男生徒は「自転車仲間にも学校で学んだ里山の知識を伝えたい」と話されました。
まさに学校が期待している知識と体験の継承。何人もの生徒さんが「未来を担う子供たちに、自然の大切さをいかに伝えるか」を指摘されました。難しいテーマですが、みんなでしっかり考え、取り組んでいかねばなりません。
今回の生徒さんは、森の初心者から、講師以上の知識を持つナチュラリストまで様々でしたが、共通しているのは、今回の森の学校を通じ、それぞれが自分の中に新しい1ページを加え、大きく成長するシードの芽生えを感じることができたのではないでしょうか。(文責 藤原博文)