ナラ枯れとは、大量の「カシノナガキクイムシ(略称カシナガ)」がブナ科の樹木(コナラ、クヌギなど)に穿孔することで「病原菌(ナラ菌)」が大量に樹内に持ち込まれ、導管が閉塞し通水障害をおこして枯死に至る樹木の伝染病です。
全国の被害量は、2010年の32.5万㎥を最大に減少、2012年頃から2019年ころまでは、4万~9万㎥で推移しましたが、2020年は19.2万㎥と再び増加しています。薪炭を利用しなくなった里山林の放置による樹木の大径木化や枯死木の放置が、ナラ枯れ被害の拡大要因の一つと考えられています。
箕面におけるナラ枯れ被害は、2009年頃から目立ち始め、2015年度には530本に上りました。
(2016年夏/如意谷)
対策として、枯死木は行政が伐倒、薬剤燻蒸処理を行い、伐倒できない被害木については、市民グループによって、初期はカシナガの飛散防止を目的に粘着シートの貼付、2015年には健全木に予防措置として薬剤の樹幹注入を実施、2016年頃から健全木や枯死直後の木に農業用防虫ネットの巻き付けを行いました。
その結果、被害木は徐々に減少し、2018年度が16本、2019年度にはゼロとなっています。2019年度以降新たな枯死木は報告されていませんが、全国的には2020年度に再び増加に転じており、箕面でも引き続き注視していく必要があります。
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全国病虫獣害防除活動会長賞を受賞
平成27年度森林病虫獣害防除活動優良事例コンクールでNPO法人みのお山麓保全委員会「ナラ枯れ防止グループが全国病虫獣害防除活動会長賞を受賞しました。