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山なみ通信

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未来につなぐ森づくり #箕面の森の守りびと

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『ナラ枯れ報告会』開く・・被害は拡大中、しかし今年は「激害地」化は避けられそう

10/28(日)に長さ5mmの小さな虫・カシナガ(カシノナガキクイムシ)がドングリの木を枯らす伝染病「ナラ枯れ」の『被害防止活動 報告会』がみのお市民活動センターで開かれ、“箕面の山なみ景観を守ろう!”と市民など41人が集まりました。【写真・上】
(主催:NPO山麓委員会 ナラ枯れ被害対策プロジェクト・チーム(PT)及び箕面市等)

「ナラ枯れ」は、毎年の初夏~秋にかけ広がりますが、その動きがほぼおさまったとみられる10月末の時点で、今年度の状況を速報的に報告し今後の対策強化に役立てようとの趣旨です。

報告された今年度の被害木数は、現時点で300本余です(今後さらに発見される可能性あり)。
昨年度より増えましたが、関係者の奮闘により近隣の高槻市などのように被害が数千本以上となり手がつけられなくなる「激害地」になる最悪の事態は避けられたようです。

★ 「ナラ枯れ」PT=“早期発見”&“応急措置”を分担 ★

「報告会」では、まず「ナラ枯れ」プロジェクト・チームのリーダーの竹田さんが、同チーム発足(平成22年9月)以来の活動の様子を報告しました。

「(発足直後の)平成22年11月にメンバーが如意谷(にょいだに)の山すそで被害を発見した(箕面で初めて)」

「その後、箕面では国(林野庁)・大阪府・箕面市・NPOが緊密に協力し、対策に取り組んでいる」

「我々(市民ボランティア)は、(行政だけでは限界があるので、箕面の山を巡回し)被害の“早期発見”と“応急措置(注)”とを分担している。この6~10月には、毎月(延べ)30人前後が7~10日間ずつ山の巡回などに出動した」

(注)応急措置:主に「粘着テープ方式」で対応。この方式は最近開発され、ナラ枯れ専用の幅20cmほどの粘着テープ(商品名:かしながホイホイ。アース製薬)を被害木にぐるぐると巻き、カシナガを閉じ込めます。粘着面を内向きにして巻くとほとんど飛び出さず、作業が効率的で有効とみられ、兵庫県で開発後、昨年度に大阪府内では箕面市で最初に導入。各地に広がりつつあります。

★ 24年度は、前年の2.6倍に拡大 ★

次に、箕面市の田中さん(農とみどり政策課)が、市内の国有林・府有林・市有林・民有林の「ナラ枯れ」の状況をとりまとめ報告しました。

「◆22年度=1本 → ◆23年度=124本(うち、枯死などで伐倒(伐採)し(薬品による殺虫)くん蒸処理をした被害木74本。残り(枯死しなかった生存被害木)は先の応急措置で対応) → ◆24年度=318本(枯死木:40本+生存被害木:278本)だった」(被害発生箇所は、図【写真・中】のとおり)。
※ 24年度の著しい被害木の伐倒・くん蒸の処理は、これから春までに行政が実施。

24年度の被害本数は前年の2.6倍に増加、これについて竹田さんは会場で次のようにコメントしました。
「(もし前年度に処理してなければ、他の被害例から)24年度は数千本に被害が広がった可能性がある」
「(被害拡大の反省から)今年度は伐倒・くん蒸処理を枯死木だけでなくカシナガのマスアタック(集中攻撃)を受けた生存被害木にも広げてほしい」

★ シカ害などで「ナラ枯れ」後は元の森に戻りにくい・・高島さんが疑問に答える ★

続いて、NPO山麓委員会・事務局長の高島さんが、『なぜ「ナラ枯れ」被害の防止なのか?」と題し、解説を兼ねた自問自答方式での報告をしました。

「【Q】なぜ「ナラ枯れ」防止活動か →【A】箕面の山は「名勝」「風致地区」「国定公園」「山なみ・山すそ景観保全地区」などに指定され美しい山なみ景観と豊かな自然生態系があり、これらを守るために取り組んでいる」

「【Q】(ナラ枯れを容認し)自然の遷移(移り変わり)に委ねるべきでは? →【A】今、問題のシカの食害で(発芽が食べられ)次世代のドングリの木が育たず(リスなどドングリを餌とする動物がダメージを受け)、シカが食べないサカキなど「偏った植生」になり、元(の森)に戻らないリスクがある」

「【Q】「ナラ枯れ」を防ぐには →【A】行政と市民との役割分担などの“協働”や、(国の研究所・製薬企業などの)最新の研究成果の活用などが大切。市民ボランティアの主な役割としては①PR、②早期発見、③応急措置があり、その強化のため、現在、市民から“「ナラ枯れ」ハンター”を募集している」

この他、箕面のナラ枯れ防止活動を報道したTVビデオの上映、プロジェクト・メンバーの決意表明と参加の呼びかけ、会場とのディスカッションが行われました。

【解 説】
◆ がんばっている箕面の「ナラ枯れ」対策 -----
箕面では、行政と市民ボランティアとによる連係プレーによる“徹底処理”で被害の拡大を防いでいますが、今年度の被害木は現在300本余(前年の2.6倍)に増えました。
他地域の例では発生後概ね3年目に「全山ナラ枯れ状態(激害地)」になっており、また「毎年、50倍ごとに増加」(服部保兵庫県立大教授)との経験則から、24年度は潜在的には前年の50倍(約6,200本)になった可能性もあり、これらから「箕面はがんばっている」といえそうです【写真・下】。

◆ 今後は“早期終息”が課題 -----
しかし、“徹底処理”しても2.6倍の「ナラ枯れ」被害拡大だったということは、今年度の300本余りが来年度には2.6倍の約800本などとなり「激害地」に近づきます。 (激害後の自然終息ではなく)その前の被害の少ない時期の“早期終息”へ向かう「拡大倍率1倍以下」を目指し、“徹底処理”のレベルアップが期待されます。
具体的には、市民ボランティア態勢強化による「早期発見」や軽微を含む生存被害木への「暫定処理(粘着テープ方式など)」、行政によるマスアタックされた生存木を含む被害の著しい木の「伐倒・くん蒸処理」の“徹底”が望まれます。

【写真・上】
『「ナラ枯れ」被害防止 活動報告会』の様子(10/28)

【写真・中】
箕面市内のナラ枯れ被害箇所(箕面市とりまとめ)
☆:22年度、◇(青):23年度、○(赤):24年度。
※昨年度まで被害の少なかった箕面川以西などで増えています。

【写真・下】
22~24年度のナラ枯れ被害本数の変化付)24年度の想定(潜在)被害本数。

 ナラ枯れ報告会

 

 

箕面市内のナラ枯れ被害箇所(箕面市とりまとめ)

22~24年度のナラ枯れ被害本数の変化       付)24年度の想定(潜在)被害本数

カテゴリ:ナラ枯れ被害防止

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投稿者:shitanishi

投稿日:2012年11月03日 03時間21分36秒